簡単にできる湿気対策

湿気

室内にたまった湿気を放っておくとカビやダニ、においの原因になるため、適切な湿気対策は欠かせません。そこで、今回は湿気がたまる原因やその対策についてご紹介します。

湿度について知ろう

湿度とは、空気がどれだけの水分の量を含んでいるかという割合です。空気はかたまりとなって移動するため、一つの部屋の中であっても部屋の中心と隅でかたまりが異なると、湿度も異なります。また、空気の湿度が変わると、同じ量の水分を含んでいても湿度が変わるのですが、これは空気の性質として、高い温度だとたくさんの水分を含み、低い温度だと少しの量しか空気を含むことができないためです。

湿度計が動かない理由

デジタル時計には、温度計と湿度計が一緒になっているものがあります。また、デザイン性が高い湿度計もあるため置いている人もいるのではないでしょうか。湿度計を見るとほとんど変化がなかったりします。空気はかたまりで移動するため、湿度計がある場所の空気に温度と湿度の変化がないと湿度計は動いていないように見えるのです。もし壊れたかなと思ったら、湿度計を屋外へ持っていてみてください。故障でなければ湿度計の変化が目で確認できるはずです。
湿度計の正しい設置場所は高さ1.5mの場所に置くのが良いとされています。また、エアコンや加・除湿機の近くは避け、空気がよく循環する場所に設置するようにしてください。

湿度が与える影響

建築物環境衛生法では湿度40~70%が適正湿度と定められており、生活する上での適正湿度は40~60%とされています。湿度が高すぎても低すぎても様々な面で影響を受けるのです。

湿度が高い

湿度が60%以上になると身体から水分が蒸発されなくなり、体温調整が難しくなります。そのため、疲れやすくなってしまい軽く体を動かしただけでクタクタになってしまうことも。寝つきが悪くなる、熱中症になりやすくなるなど健康面で大きな影響があります。
雨が多くなる梅雨から夏にかけてダニやムカデ、チャタテムシなどの害虫やカビが発生しやすいので、注意が必要です。特に気密性の高いアパートやマンションはカビが発生しやすくなります。カビは見た目の不快感だけではなく、胞子を吸い込むことで、アレルギーや真菌症という病気を発症してしまうこともあるのでしっかり対策しましょう。

湿度が低い

湿度が低いということは空気が乾燥した状態です。空気の乾燥は風邪の原因にもなります。鼻やのどの粘膜が乾燥すると、風邪のウイルスへの防御作用が働ききにくくなります。さらにインフルエンザウイルスは湿度40%以下を好み、活動が活発になる性質を持っています。つまり湿度が低い環境では、風邪やインフルエンザにかかりやすくなるのです。
また、肌の乾燥によるかゆみによる肌トラブルの増加、ドライアイやドライマウスといった症状に悩まされることになります。
健康面だけではなく、外気と室内の気温差によって窓ガラスに結露ができやすくなり、カーテンや窓枠、壁にカビが発生してしまいます。結露によって住宅の建材として使われる木材が、水分に長くさらされるため傷んでしまい、耐久性・耐震性を損なってしまうので結露を甘く見ないようにしましょう。

湿気がたまる条件や環境

結露

特に湿気がたまりやすい場所は、気温が下がりやすい押し入れやクローゼット、下駄箱、窓回り、水回りです。

押し入れやクローゼット

押し入れやクローゼットは湿気がたまりやすい場所です。特に布団をしまっている場合は要注意。人は寝ている間にコップ一杯分の汗をかいているといわれ、起床してそのままふとんを押し入れに入れてしまうと湿気で充満してしまいます。起きてすぐに布団をたたんでしまうのではなく、まずは掛け布団をめくって20~30分そのままにしておきましょう。こもった湿気が抜けたタイミングでたたみ、押し入れに収納します。布団を定期的に干ようにしてください。
クローゼットにしまう衣類も要注意。外出して着ていた服をすぐクローゼットにしまっていませんか。衣類を抜いてすぐだと暖まっていますし、湿気もたまっています。一度風を通すようにし、熱と湿気を抜いてからクローゼットにしまいましょう。
しまっている服も空気中の水分が増えると、衣類はそれを吸着するため、閉じ切ったままのクローゼットは湿気がこもりがちです。虫が湧いたり、カビが生えたりしないように、定期的に扉をあけて空気を入れ替えたり、除湿剤を使ったりするなど、湿気対策を行いましょう。

下駄箱

靴は足の汗を吸っているので、下駄箱の中は湿気がこもりがち。あまり掃除をする場所でもないため、知らないうちにカビが生えてしまうこともあります。下駄箱の扉はこまめに開いて換気してください。あわせて除湿剤などカビ対策グッズを設置しておいてもいいでしょう。靴はしまう前に乾燥させてから、下駄箱に片付けるようにすると湿気対策になります。

窓回り

窓回りは結露によって湿気が生じやすい場所です。室内の温かい空気が外気で冷たくなっている窓ガラスに触れると、湿度が急激に下がり、水蒸気が水滴となってガラス面やサッシにたまってしまいます。そのままにしていると冬場は常に結露ができ、常にジメジメした状態です。壁やカーテンにカビが生えやすくなるので、結露ができたらこまめに拭き取りましょう。

すぐにできる除湿方法

梅雨や真夏などの時期は、湿度が高くなりやすいので、以下の方法で湿度を調整しましょう。

室内の風通しをよくする

空気が動かず一定にとどまっていると、湿度が上がりやすくなります。そのような状態が続いてしまうとカビが繁殖してしまい、健康や部屋にとって悪影響です。窓を開けたり、換気扇を回したりするなど、積極的に外の空気を取り込むようにしましょう。2か所以上窓やドアを開けて空気の通り道を作ることで、効率よく空気の循環が行えます。
雨の日に窓を開けると余計に湿度が高くなりそうですが、窓を締め切った環境だとむしろ湿気の逃げ場がなくなり、むしろ湿度が高くなってしまいます。こもった湿気を逃がすため、雨の日でも可能であれば窓を開けて喚起するようにしましょう。10分程度空気を動かせば、室内の空気もある程度入れ替わります。雨が入ってくると逆効果なので、雨が入らない場所で換気するようにしてください。

除湿機を使う

除湿機

天候や時間などを考えずに除湿したい場合は、除湿機が向いています。衣類乾燥機能がついている除湿機なら、部屋干しの洗濯ものもしっかり乾かせます。除湿機は部屋の大きさにあった除湿能力から選ぶことができ、エアコンの除湿機能と比べても電気代はかかりませんし、除湿したい場所に移動できるので便利です。一家に一台あると助かるでしょう。昨今ではコンパクトなタイプが増えて、より使いやすくなりました。

扇風機・サーキュレーター

扇風機やサーキュレーターは除湿アイテムとしても使えます。クローゼットや押し入れ、シンク下、下駄箱など空気が通りにくい場所に、扇風機やサーキュレーターの風をあててみましょう。空気が循環することで湿気を逃がします。室内干しや雨で窓が開けられないときにも使えるのでおすすめです。

除湿剤

湿気を吸い取ってくれるアイテムです。クローゼットや押し入れ、下駄箱など 狭いスペースで使うといいでしょう。除湿剤は水がたまると捨てる使い捨てタイプは使い勝手がいいので、手軽に使えます。
布団やマットレスの場合、下に敷くシートタイプもあるのでおすすめです。干せば繰り返して使えるものもあるので、長期間使えます。

重曹と炭

掃除や料理で使われる重曹も除湿対策として使えるアイテムです。小瓶やお皿に入れておくことで除湿効果があり、嫌なニオイも吸着してくれます。湿気で固まってしまったら掃除に再利用できるので、財布にも環境にも優しい除湿方法の一つです。しかし、部屋全体に使うのは不向きなので、下駄箱など狭いスペースの湿気取りとして使いましょう。
炭には細かい穴が開いており、湿気を吸収する除湿効果があります。また、湿度が少なくなると水分を放出する働きがあるため、湿度を調整してくれます。さらに脱臭効果もあるため、湿気がたまりやすく、ニオイも気になる下駄箱への使用がおすすめです。天日干しすると除湿・消臭効果が回復するので何度でも使えます。

新聞紙

新聞紙も湿気を吸い取ってくれるアイテムです。使い方は下駄箱や押し入れの下に新聞紙を敷いて、湿気を吸収したら交換するだけ。使用後も干せば再利用できます。
窓枠の下に筒状に丸めた新聞紙を詰めておくと、結露で垂れてきた水分を吸い取ってくれます。すでに結露している場合は、窓ガラスに新聞紙を貼りつければOK。その後、塗れた新聞紙で窓を拭けば、窓ガラスがキレイになって一石二鳥です。

入浴後換気扇を回す

家の中でも特に湿気の多い浴室は、入浴後の湿気対策は欠かせません。非常に湿気が高くなるので、窓を開けて換気扇を回し、浴室全体を乾燥させましょう。また、お風呂のお湯を残す場合、必ず蓋を閉めるようにしてください。浴室を使わないときは常に扉を閉めて他の部屋に湿気がいかないようにすることも大切です。

カーテン

カーテンも素材によって湿度対策になります。おすすめなのがリネンです。リネンは繊維の中心が空洞となっており、ここに水分を吸収する仕組みになっています。そして、水分を素早く蒸発させるため乾くのがとてもはやく、防カビ効果もあるので、梅雨にピッタリの素材です。
高機能なカーテンには、紫外線が当たると抗菌防臭効果を発揮する光媒体を使用したものもあります。湿気が多い季節はニオイや雑菌が気になることが多いので、光媒体カーテンもおすすめです。

湿気対策で注意したいポイント

様々な方法がある湿気対策ですが、対策をしていてもカビが発生してしまうことも。もしカビが生えてしまっても掃除機で吸わないようにしてください。掃除機の構造上、部屋にカビをまき散らすことになりかねません。カビが生えてしまったら、適切な方法で除去するようにしましょう。まずは乾燥を心がけ、カビを発生しないようにしてください。